コラム

年収2000万円超の養育費

通常の養育費・婚姻費用の計算方法

通常の養育費・婚姻費用の計算には、算定表が用いられます。
ただ、算定表では、その上限が、給与所得者については2000万円、自営業者については1409万円となっており、上限以上の場合にどうするかについては直接は定められていません。

高額所得者の養育費・婚姻費用に関しては、裁判例上も様々な見解があり、見解は一致していません。
以下では、裁判例上の考え方をいくつか示します。

算定表の最高額を上限とする方法

2000万円以上の給与、1409万円以上の事業収入の場合でも、2000万円の給与又は1409万円以上の事業収入を基準にした養育費・婚姻費用を支払えばよいという考え方です。

基礎収入の割合を修正する方法

基礎収入の割合を低くして養育費・婚姻費用を算出する方法です。

養育費・婚姻費用を算定する際には、夫婦それぞれの基礎収入を算定し、これを夫婦及び子の生活費指数で按分するという方法をとります。
この際、基礎収入の算定には、総収入から公租公課、職業費、特別経費を控除して計算しますが、算定表では、給与所得者の場合には基礎収入の34%、自営業者の場合には基礎収入の47%が基礎収入とされています。
この方法の場合、上記の割合を低くして基礎収入を計算して、婚姻費用を算出することになります。

福岡高決平成26年6月30日は、高額の収入(年収6000万円超)の夫が支払う養育費に関して、基礎収入の割合を34%ではなく、27%として計算しています。

福岡高決平成26年6月30日
給与所得者として基礎収入額を算定すべきであるが、年収2000万円までの基礎収入割合は概ね34ないし42パーセント(ただし高額所得者の方が割合は小さい。東京・大阪養育費等研究会「簡易迅速な養育費等の算定を目指して」判例タイムズ1111号285頁参照)とされているところ、年収2000万円を超える高額所得者の場合は、基礎収入割合はさらに低くなると考えられるから、抗告人の職業及び年収額等を考慮して、抗告人の基礎収入割合を27パーセントとするのが相当であり、その基礎収入額は1666万4000円(1000円未満四捨五入。以下同じ。)となる。

貯蓄率を控除する方法

貯蓄率を控除して養育費・婚姻費用を算出する方法です。

上記のとおり、養育費・婚姻費用を算定する際には、夫婦それぞれの基礎収入を算定し、これを夫婦及び子の生活費指数で按分するという方法をとります。
この際、基礎収入の算定には、総収入から公租公課、職業費、特別経費を控除して計算します。
上記の方法では、これに加えて一定の貯蓄分を控除して基礎収入を算定し、婚姻費用を算出することになります。

東京高決平成28年9月14日は、基礎収入を算定するにあたっては、公租公課、職業費、特別経費及び貯蓄分を控除すべきと述べた上、可処分所得の7%分を貯蓄分として控除して計算しています。

福岡高決平成26年6月30日
抗告人が引用する家計調査年報の、総世帯のうち勤労者世帯の貯蓄率は、年収1018万円以上が27.3%、全収入の平均が21.4%であること、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の貯蓄率が、年収1500万円以上が31.9%、全収入の平均が19.8%であること、その他本件に現れた一切の事情を考慮して、特別経費については年収1500万円以上の者の収入比とされる16.40%とするとともに、抗告人について、総収入から税金及び社会保険料を控除した可処分所得の7%分を相当な貯蓄分と定めることとする。

同居中の生活レベル等から算定する方法

同居中の生活費の額や生活レベル等を総合考慮して養育費・婚姻費用を算出する方法です。

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