任意後見監督人とは

任意後見監督人とは

任意後見契約が登記されている場合において、精神上の障害により本人の事理を弁識する能力が不十分な状況にあるときは、家庭裁判所により、任意後見監督人が選任されます(任意後見契約法4条1項)。
以下では、任意後見監督人の職務を解説します(任意後見契約法7条1項)。

任意後見人の事務の監督

任意後見人の事務の監督は、任意後見監督人の主な業務と言えます(任意後見契約法7条1項1号)。
具体的には、任意後見人が行う後見事務を把握するとともに、後見事務が適切に行われるよう指導することになります。

家庭裁判所への定期報告

任意後見監督人は、任意後見人の事務について、家庭裁判所に定期的に報告をする必要があります(任意後見契約法7条1項2号)。
具体的には、任意後見人が行っている事務について、任意後見人から報告を受けているかどうか、任意後見人の事務の執行が適切になされているかどうかなどを報告します。

急迫の事情がある場合の必要な処分

任意後見監督人は、急迫の事情がある場合に、任意後見人の代理権の範囲内において、必要な処分をする必要があります(任意後見契約法7条1項3号)。
たとえば、任意後見人が病気等で一時的に職務を行えない場合などに、任意後見監督人が、任意後見人に代わって本人のために必要な行為を行うことになります。
なお、任意後見契約法7条4項では、民法859条の3を準用していないため、任意後見監督人が居住用不動産を処分する場合であっても、家庭裁判所の許可を得る必要はないと考えられています(この点は、成年後見監督人の場合と異なります)。

利益相反行為における本人の代表

任意後見監督人は、任意後見人又はその代表する者と本人との利益が相反する行為について、本人を代表します(任意後見契約法7条1項4号)。
このときも、任意後見監督人が居住用不動産を処分する場合であっても、家庭裁判所の許可を得る必要はないと考えられています。

任意後見人への報告請求・調査

任意後見監督人は、いつでも任意後見人に対して任意後見人の事務の報告を求め、又は任意後見人の事務若しくは本人の財産の状況を調査することができます(任意後見契約法7条2項)。
任意後見監督人による、任意後見人の事務の監督を実のあるものにするために、このような権限が認められています。

家庭裁判所からの調査命令等

任意後見監督人は、家庭裁判所から、任意後見人の事務に関する報告を求められ、任意後見人の事務若しくは本人の財産の状況の調査を命じられ、その他任意後見監督人の職務について必要な処分を命ぜられることがあります(任意後見契約法7条3項)。
上記のとおり、任意後見監督人は、家庭裁判所への定期報告が義務付けられていますが、当該定期報告では足りず、また、特別の理由がある場合には、家庭裁判所から、報告等を命じられることがあります。

善管注意義務

任意後見監督人は、善管注意義務を負っています(任意後見契約法7条4項・民法644条)。

任意後見監督人の報酬

任意後見監督人の報酬は、家庭裁判所が、任意後見人及び被後見人の資力その他の事情を考慮して定めたうえ、被後見人の財産の中から、与えられます(任意後見契約法7条4項・民法862条)。

任意後見監督人の辞任

任意後見監督人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て辞任することができます(任意後見契約法7条4項・民法844条)。
正当な事由があるときとは、任意後見監督人が病気等で職務を遂行することが困難になったときなどが考えられます。

任意後見監督人の解任

任意後見監督人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、他の任意後見監督人、被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求により又は職権で、任意後見監督人を解任することができるとされています(任意後見契約法7条4項・民法846条)。

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