DV防止法に基づく保護命令とは

DV防止法に基づく保護命令とは

配偶者から暴力を受けている場合に、裁判所に申し立てることにより、加害者に対して被害者への接近を禁じる命令がなされます。
これをDV防止法に基づく保護命令といいます。
後述のとおり、裁判所からの命令に違反した場合、加害者に刑罰が科される点に特徴があります。

被害者とは

DV防止法で保護される被害者は、典型的には配偶者ですが、現に配偶者である者だけに限られません。
配偶者からの暴力等を受けた後に離婚したものの、離婚後も引き続き暴力等を受けた場合も被害者に含まれます。
また、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者も含みます。

加害者の行為

適用となる加害者の行為については、「身体に対する暴力」だけではなく、「生命等に対する脅迫」も含みます。

保護命令が発せられる要件としては、以下になります。

  1. 被害者が配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けたこと
  2. 被害者が将来、配偶者からの身体に対する暴力により生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認められること

保護命令の内容

裁判所が発令する保護命令としては、以下があります。

  1. 被害者への接近禁止命令(DV防止法10条1項1号)
  2. 生活の本拠とする住居からの退去命令(DV防止法10条1項2号)
  3. 電話等禁止命令(DV防止法10条2項)
  4. 被害者の子への接近禁止命令(DV防止法10条3項)
  5. 被害者の親族等への接近禁止命令(DV防止法10条4項)

上記のうち、③から⑤は単独で発令されることはなく、①と同時にまたは①の後に発令されることになります。

上記の各命令の有効期間は以下のとおりです。
① 6か月
② 2か月
③から⑤ ①の有効期間満了まで

保護命令の審理

保護命令の申立ては、相手方の住所地を管轄する地方裁判所、申立人の住居又は居所の所在地を管轄する地方裁判所、相手方からの暴力や脅迫が行われた地を管轄する地方裁判所に対して行います。

申立てにあたっては、原則として、配偶者暴力相談支援センターまたは警察に相談し、または援助若しくは保護等を求めた事実が確認できる書類を添付する必要があります。

保護命令の審理は、相手方が立ち会うことができる審尋の期日を経る必要があります。
手続きに関しては、民事訴訟法の規定が準用されるため、立証の程度については、証明が必要になります。

保護命令に違反した場合の効果

保護命令に違反した場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
裁判所からの命令違反について刑罰が科される点が、DV防止法に基づく保護命令の大きな特徴といえます。

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