成年後見人を選任しようとする場合には、家庭裁判所に対し後見開始の審判の申立てを行う必要があります。
後見開始の審判を申し立てることができるのは、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官です(民法7条)。
ただし、実際に申し立てる際には、後述のとおり、本人の診断書や本人の財産に関する資料の提出が求められますので、同居の親族等、本人の事情をよくわかっているものが申し立てることになるでしょう。
申し立てる裁判所は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所です(家事事件手続法117条1項)。
申立てに際しては、以下の書類が必要となります。
申立てを行うと、申立人と成年後見人候補者は、裁判所において面接を行います。
また、本人の状態等によっては、本人への面接や、鑑定が行われることもあります。
鑑定を行う場合には、鑑定費用を家庭裁判所に予納する必要があります。
なお、診断書や申立人と成年後見人候補者との面接において、明らかに意思能力がない常況にあることが認められる場合には、鑑定は行われません。
調査終了後、後見開始の審判がなされ、成年後見人が選任されます。
通常、申立てから審判まで、1、2ヶ月を要します。
審判がなされると、申立人等に告知されるほか、本人に対しても通知されます(家事事件手続法74条1項、122条1項)。
また、後見開始・後見人選任の登記がなされます(家事事件手続法116条)。