成年後見でできること

成年後見人の代理権

成年後見人には、被後見人の財産行為全般について、当然に包括的な代理権が与えられています。
保佐人や補助人の場合には、代理権が与えられない場合もあることとは対照的です。
ただし、成年後見人が被後見人の居住用不動産を処分する場合には、家庭裁判所の許可を得なければなりませんし(民法859条の3)、被後見人の行為を目的とする債務を負担する場合いは、被後見人の同意がなければいけません(民法859条2項、824条ただし書)。
また、成年被後見人と利益が相反する行為については、特別代理人を選任して、特別代理人に代理行為を行わせなければなりません(民法860条、826条)。
さらに、養子縁組、遺言等の身分行為についても、代理して行うことはできません。

成年後見人の取消権

成年後見人は、成年被後見人の日用品の購入その他日常生活に関する行為を除いて被後見人が行った法律行為について取消権が付与されます(民法9条)。
たとえ、契約の相手方が、成年被後見人であることを全く知らないままに契約を締結してしまったとしても、成年後見人は成年被後見人の行為を取り消すことができます。

成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行う必要があります(民法858条)。
そして、これら事務を行うにあたっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければなりません(民法858条)。

成年後見人の財産管理

財産管理に関する事務については、成年後見人が日常的に行うべき職務ですが、具体的には、以下のような職務があります。

財産目録の作成

成年後見人就任後、 1か月以内に後見等事務計画書と財産目録を作成して、家庭裁判所に提出する必要があります。

財産の管理

その後は、本人の財産状況を把握するとともに、安全に管理することが必要になります。

収入については、日常的なものとしては、年金収入や不動産等からの家賃収入が考えられるところです。
そこで、年金収入については、受給のための手続きを行うとともに、入金を確認することが必要になります。
賃料収入については、賃借人からの賃料の受領を行うことが必要になりますが、事務処理が多い物件などの場合には、不動産管理業者に委託することもありうるでしょう。

一方、支出については、日常的なものとしては、生活費や医療費が考えられるところです。
生活費については、必要な場合には、本人のみならず、配偶者や未成年の子に対して支出することもできます。

収入及び支出については、現金出納帳を作成するとともに、領収書を保管しておくことが必要になります。

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