コラム

金銭等出資型の寄与分

金銭等出資型の寄与分

被相続人の事業に関いて財産上の給付をする場合又は被相続人に対し、財産上の利益を給付する場合の寄与分です。

要件

金銭等出資型の寄与が認められるための要件は以下のとおりです。

  1. 被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与であること
  2. 寄与行為の結果として被相続人の財産を維持又は増加させていること

特別の貢献

財産給付の内容が、被相続人との身分関係に基づいて通常期待される範囲を超えていることが必要です。
小遣い程度の給付では、特別の貢献とは言えません。

無償性

財産給付が無償又は、これに近い状態でなされていることが必要です。

継続性・専従性は不要

金銭等の財産を給付するだけであるため、継続性や専従性は不要です。

被相続人の営む会社への金銭出資

被相続人の営む会社への金銭出資などについては、会社に対する貢献であって、「被相続人の事業に関する財産上の給付」には当たりません。

ただし、会社とは名ばかりであって、実質的には被相続人の「個人企業」に近く、被相続人と経済的に極めて密着した関係にあり、かつ、会社への貢献と被相続人の資産の確保との間に明確な関連性があり、会社への財産給付に対して対価が支払われていない場合には、寄与分が認められる余地があります(高松高決平成8年10月4日)。

相続人の経営する会社から被相続人への役員報酬の支払

相続人の一人が実質的に経営している同族会社が、ほとんど就労していない被相続人に対し、役員報酬又は給与の支払いをしていた場合、経営している相続人は、金銭出資による寄与分の主張をすることは難しいです。

会社からの支払いは、個人からの援助や贈与とは同視できず、あくまでも会社からの支払いにすぎないためです。

評価方法

給付財産の相続開始時における価額を寄与分算定の基準とし、それに裁量割合を乗じて計算するのが一般的な方法です。

不動産の贈与の場合には、相続開始時の価額に裁量割合を乗じることになります。
金銭の贈与の場合には、贈与金額に貨幣価値変動率を乗じ、さらに裁量割合を乗じることになります。

上記のとおり、提供した財産の全額について寄与分が認められるわけではなく、裁判所による「裁量割合」を乗じて減額されるのが通常です。
どの程度裁量割合で減額されるかは事例の個別的な判断になりますが、療養看護型と比較した場合、その減額率は低くなると言われています。

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