コラム

療養看護型の寄与分

療養看護型の寄与分

相続人が、病気療養中の被相続人の療養看護に従事したという場合の寄与分です。
被相続人が自らの費用で看護人を雇わなければならなかったはずのところを、相続人が療養看護したために、被相続人が看護人の費用の支出を免れたことで、相続財産が維持または増加した場合に限られます。

要件

療養看護型の寄与が認められるための要件は以下のとおりです。

  1. 被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与であること
  2. 寄与行為の結果として被相続人の財産を維持または増加させていること

療養看護の必要性

被相続人が、療養看護を必要とする病状であり、近親者による療養看護を必要としていたことが必要です。
したがって、病状が重篤でも、完全看護の病院に入院しているような場合には、寄与分は認められません。

特別の貢献

被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える貢献である必要があります。

無償性

療養看護が無報酬又はこれに近い状態でなされている必要があります。
ただし、通常の介護報酬に比べて著しく少額であるような場合には無償性の要件を満たすものと解されています。

継続性

療養看護が相当期間に及んでいることが必要です。
実務上は最低1年以上が必要とされています。

専従性

療養看護の内容が片手間なものではなく、かなりの負担を要するものであることが必要です。
ただし、専業ということまでは要求されません。

配偶者に対する療養看護

配偶者に対する療養看護は、一般には夫婦の協力扶助義務に含まれるため、特別の寄与と認められるためには、社会通念上、配偶者による通常の看護の程度を超えることが必要です。

家事援助のみの介護

療養看護型の寄与は、疾病の存在が前提となっており、健常なる被相続人に対する家事援助は基本的にこれに含まれません。
したがって、いかに家事援助に尽くした場合でも、療養看護型の寄与として認められません。

入院中の付添看護

完全看護の病院に入院している場合には、身内による療養看護が必要とはいえないため、寄与分は認められません。

寄与分が認められるための目安

療養看護型の寄与分が認められるためには、介護保険における要介護度が、2以上の状態にあることが一つの目安になります。

評価方法

療養看護行為の報酬相当額(日当)に看護日数を乗じ、それに裁量割合を乗じて計算するのが一般的です。
日当については、介護保険における介護報酬基準が用いられることが通常です。
裁量割合については、0.7程度を乗じることが多いです。

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