預金者の相続人が死亡した場合の相続預貯金の払戻し

再転相続について

被相続人の預金について、相続が生じた場合、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となります(最大決平成28年12月19日)。
そして、準共有となるため、相続預貯金の払戻は、相続人全員によらなければなりません。

相続預金の払戻前に、相続人の1人が死亡した場合、相続預金は、相続人の相続人に、法定相続分に応じて承継されることになります(ここで各相続人が取得するのは、遺産共有持分であり、単独で行使はできません)。

たとえば、被相続人Aに相続人として子Bと子Cがいる場合、被相続人Aの死亡により、子Bと子Cは相続預金を2分の1ずつ承継することになりますが、相続預貯金の払戻の前にBが死亡し、Bには相続人として子Dと子Eがいる場合、DとEはBの相続預金を2分の1ずつ承継します。
したがって、被相続人Aの相続預金は、Cが2分の1を、D、Eが4分の1ずつ承継することになります。

代襲相続との違いについて

 再転相続は、被相続人が死亡した後に相続人が死亡した場合に生ずるのに対し、代襲相続は、被相続人が死亡する前に、推定相続人が死亡する場合に生じます。両者は似ている点もありますが、以下のような違いがあります。

承継する相続人が異なることがあること

 代襲相続は、法律で規定された代襲相続人が相続人となりますが、再転相続の場合には、相続人の相続人が再転相続人となります。
 たとえば、被相続人Aに相続人として子B、子Cがおり、子Bには妻Dと子Eがいる場合を考えてみます。
Aが死亡する前にBが死亡しているケースだと、Aの相続人は、子Cと代襲相続人である孫Eとなり、CとEの相続分は2分の1ずつとなります。
 一方、Aが死亡した後に、Bが死亡した場合、再転相続により、Bの相続分は、CとDが2分の1ずつを承継します。したがって、Aの相続財産との関係では、Cが2分の1、DとEが4分の1ずつということになります。

再転相続の場合、もとの相続人が相続放棄や遺言をしている場合があること

たとえば、上記のケースを前提に、Aが死亡した後に、Bが死亡した場合を考えると、BがAの相続財産について生前に相続放棄をしていると、Aの相続財産はCだけが取得することになります。
 また、Bが遺言を残しており、全財産をDに相続させるという内容であった場合、Aの相続財産との関係では、CとEが2分の1ずつということになります。

相続預貯金の払戻について

 上記のとおり、相続預貯金の払戻前に、相続人の1人が死亡した場合、相続預貯金は、死亡した相続人の相続人に、法定相続分に応じて承継されることになるので、死亡した相続人の相続関係を示す書類を提出する必要があります。

必要書類

 そこで、以下のような書類の提出をして、相続預貯金の払戻を請求することになります。

  1. 被相続人の出生から死亡までの除籍謄本、改製原戸籍、戸籍謄本
  2. 相続人全員の戸籍謄本、除籍謄本
  3. 死亡した相続人の出生から死亡までの除籍謄本、改製原戸籍、戸籍謄本
  4. 死亡した相続人についての相続人全員の戸籍謄本
  5. 相続人全員(死亡した相続人の相続人を含む)による遺産分割協議書及び印鑑証明書

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