コラム

弁護士会照会による取引履歴の開示請求

弁護士会照会による取引履歴の開示請求

被相続人の預金口座の取引履歴の開示請求を、弁護士会照会により行うことがありえます。
特に、金融機関が任意の開示に応じてくれない場合、弁護士会照会を利用することがあります。
弁護士会照会により取引履歴の開示請求を行った場合、認められるでしょうか。

弁護士会照会への回答義務の存否

弁護士会照会とは、弁護士が依頼を受けた事件について、証拠や資料を収集し、事実を調査するなど、その職務活動を円滑に行うために設けられた法律上の制度(弁護士法第23条の2)です。
弁護士は、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命」(弁護士法第1条)とし、依頼を受けた事件について、依頼者の利益を守る視点から真実を発見し、公正な判断がなされるように職務を行う。このような弁護士の職務の公共性から、情報収集のための手段を設けることとし、その適正な運用を確保するため弁護士会に対し、照会の権限が法律上認められているものです。
弁護士会照会は、法律で定められている制度であるため、原則として回答・報告する義務があり、例外として、照会の必要性・相当性が欠けている場合には回答・報告しなくてもよいものと考えられています。
広島高判岡山支判平成12年5月25日判時1726号116頁も、銀行に対する預金取引に関する照会に関し、報告義務を認め、「右照会制度の目的に即した必要性と合理性が認められる限り、相手方である銀行はその報告をすべきであ」ると述べています。

取引履歴の開示請求への回答の可否

弁護士会照会により、取引履歴の開示請求を行った場合、実体法上、相続人に開示請求する権利がある場合には、金融機関もこれに応じることが多いといえます。

開示請求する権利がある場合の詳細については、以下をご覧ください。
取引履歴の開示請求

一方、実体法上、相続人に開示請求する権利があるとは言えないような場合には、弁護士会照会によっても、金融機関は開示には応じないことが多いといえます。
具体的には、被相続人の口座から特定の相続人が不正に出金したことを調査するため、特定の相続人の預金口座に関する取引履歴の開示請求を行おうという場合には、特定相続人の預金口座には実体法上の開示請求権がないため、かかる開示は認められないことが多いといえます。

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